油水分離槽やオイルピットの性能補強
オイルピットやオイルトラップ(油水分離槽、止油槽)は、本来、流れてきた油をそこに止めて、下流に流さないために設置されるものですが、実際には様々な原因から十分な効果が出ていないことも少なくありません。
まず、界面活性剤(洗剤など)が混じって乳化している油に対しては、基本的に油水分離槽は無力です。
油分濃度が高く、油が溜まりすぎているならば、掃除を励行することが大切です。
油量と流速のバランスが悪い場合、たとえば、通常は油量も水量も少ないが、何かの折に油が多く流れてくることがあり、そこに多量の水が流れてくると、その水に乗って油が流れ出てしまうというような場合もあります。そのような場合には、あらかじめ浮いている油の量を減らしておくことが有効です。
油の量を減らすには、ひとつには 吸着材を浮かべておく方法があります。
このとき、浮力が弱いオイルマットでは 沈んでしまったり流失したりする危険があるので、浮力の強いものを浮かべておく必要があります。
浮力の強いオイルマットとしては 弊社では「スミレイオイルマット」と「パフィンオイルマット」を御紹介できます。
「スミレイオイルマット」は特殊活性炭を素材とするマットであり、オイルマットの中でも最強の浮力をもつものです。
また微生物担持体としてもすぐれており、微生物製剤と組合わせる(スミレイオイルマットのうえにかける など)と 油水分離槽内の油を分解することもでき悪臭の軽減もできます。
「パフィンオイルマット」は スミレイオイルマットほどの浮力はありませんが、繊維素材の比較的安価なオイルマットであり、他の繊維素材のマットに比べると別格の浮力を持ちます。先端技術である微細繊維(太さが1μm程度のポリプロピレン繊維)を素材としていて 繊維同士の隙間が狭いからです。
また 油を止めながら吸着するタイプのものとしては「ロングキャッチオイルフェンス」を御用意しております。
省力化したい場合や、油がオイルマットでは吸着しにくいタイプのものである場合には、スキマー(吸引器)で機械的に油を吸引する方法もあります。
但し、これまでは「油をおおまかに回収するが、油膜は回収できない」ベルトスキマーか「吸引口の近く(数cm)にきた油膜は水と一緒に吸い込む」吸引型スキマーのいずれかでした。
弊社では、厚い油層から薄油膜まで吸引出来る吸引型スキマーを開発しました。この「バルカスキマー」は、縦横1m未満、深さ0.1m程しかない場所でも使え、直径40cmのマンホールを通して地下貯水櫓に降ろして使うこともできます。また、1~2m晴れた油を吸い寄せることもできます(無風状態)。