水域用油濁対策資材 スミレイ製品
- 日本吸着学会技術賞
- NETIS旧登録番号 SK-000020
NETISとは?・・・・・公共工事に活用できる有用な新技術を集めたデータベースで、国土交通省が運営管理しており一般にも無料で公開されています。http://www.kangi.ktr.mlit.go.jp
スミレイってなに?
スミレイは油を強力に吸着し長期間水に沈まない活性炭化物です。
しかも環境にとても優しい製品です。
「スミレイ」は コーヒー豆の抽出残渣を炭化しただけで作られた自然に優しいリサイクル炭化物(親油性多孔質炭化物)。
油(疎水性液体)を強力に吸着し、水をはじき、水に浮かぶ、という他に類を見ない性質をもった吸着材です。通常の吸着材では全く吸着できない 界面活性剤と混じった油も吸着できます。
油にまじった、PCB、ベンゼンなどの有害物資も油と一緒に吸着回収できます。
粒の大きさは 数μmから3mm程度ですが、大きめの粒を選別することもできます。
吸着孔の直径はおよそ0.1~50μm。通常の活性炭はマクロ孔でも0.05μmと言われていますから 活性炭にしては非常に大きい孔ですが この大きさが大量の油の吸着を可能としているのです。
かさ密度(スミレイを容器に入れたときの密度)は約0.1g/cm3、粒子密度(粒子内部の空隙は含めるが粒子間の空隙を除いた密度)は約0.25g/cm3、硬さは 丁度 学校の黒板で使うチョーク程度です。
このスミレイで作った油濁対策資材を 下記にご紹介いたします。
いずれの製品についても 御客様の用途に応じたカスタマイズに対応いたしております。
スミレイ オイルフェンス
迅速対応を可能にする吸着型オイルフェンス
特徴
スミレイを丈夫なポリエステルの円筒布で包んだオイルフェンスです。
油を止めるだけでなく吸着できる点で可搬式(ゴム製)オイルマットとは異なり、何本も連結して使うことができ長期間水面に浮かんで油を流下拡散させない点でピロー(円筒)型オイルマットとは異なります。
軽油、灯油、食用油、作動油、エンジンオイル、A重油などの低粘度油の拡散防止を得意とします。
浅い流れ、狭い水路など展張しても 滞油力を発揮します。軽量で少人数でも簡単に展張できます。
種類
名称 | 寸法 | 1本あたりの油吸着量 | 浮力保持期間(参考) | 入り数 | |
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スミレイオイルフェンス | 15002 | 15cmφ x 2m | 約19ℓ | 約1年 | 4本(長大箱) |
11002 | 11cmφ x 2m | 約10ℓ | 約4カ月 | 6本(長大箱) 4本(大箱) |
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7502 | 7.5cmφ x 2m | 約4ℓ | 約3か月 | 10本(大箱) 5本(小箱) |
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7510 | 7.5cmφ x 10m | 約20ℓ | 約3か月 | 2本(大箱) | |
スミレイエアフェンス | 7502 | 7.5cmφ x 2m | 約15ℓ | 約1年 | 5本(小箱) |
7510 | 7.5cmφ x 10m | 約3ℓ | 約1年 | 2本(大箱) |
■ スミレイオイルフェンスとスミレイエアフェンスは、浮力保持期間が違いますが外観は同じです。
■ スミレイエアフェンス11002は 受注生産しております。
スミレイ オイルマット
薄油膜まで吸えるオンリーワンの吸着力
抜群の浮力で流失防止
油流失事故の”流下防止”と”仕上げ”の必需品
特徴
水面に流出した油をきちんと吸着回収するには、「吸着量が多く」「油膜まで吸える吸着力をもった」オイルマットが必要となります。
しかし、一般的なオイルマットは薄い油膜を吸うことは苦手です(厚さが0.25mm以下になると吸えなくなるとする研究報告もあります)。
キラキラ光って目立つ油膜(厚さ0.05~0.001mm前後)まで吸着するには、特別に吸着力の強いオイルマットが必要となります。
それが 特殊活性炭の吸着力をもつスミレイオイルマットです。
油膜の吸着力の比較実験(動画)
オイルマットは油さえ吸えばよいというものではありません。浮力も大切です。
特に 流れのある川などにオイルフェンスを展張し、その上流側にオイルマットを浮かべて油を待ち受けるようなときは、 油を吸った後は浮力が不足しがちになる通常のオイルマットを浮設していると、オイルマットの流失による二次汚染のおそれがあり、オイルフェンスからの油の潜り抜けを防げなくなるおそれがあります。
そんなときに頼りになるのが 段違いに浮力の強いスミレイオイルマットです。
浮力比較動画
また スミレイオイルマットを 厨房などのグリーストラップの中に浮かべておくと グリーストラップの内壁のべたつき汚れが軽減されます。
これはスミレイが油を分解する微生物のすみかになって 固体化してかたまりがちな油脂をより細かい分子に分解することを助けているからです。
実験でも 適当な温度と補助栄養素さえあれば スミレイマットを浮かべたビーカーの中の動植物油が4週間で当初の21~34%も分解されていることが観察されました。
天然素材のスミレイだからこその裏ワザです。
(特に 油分解微生物製剤「CN-1」と組み合わせると 油の分解消滅が早まります。)
種類
外布の違いにより、以下の2種類があります。
吸着量が多く、流れの中での浮力が強く、万一放置されても生分解しやすく、サイズにバリエーションのあるBタイプ(外布が木綿ガーゼ)。
浮力保持期間が長く(通常2週間程度)粉漏れが少ないWタイプ(外布がポリエステル編布)。
形式 | マット寸法 | 一枚あたりの吸着量 | 1箱の枚数 |
---|---|---|---|
5050B | 50cm x 49cm x 1.3cm | 約1.6㍑ | 20枚(大箱) 10枚(小箱) |
5025B | 50cm x 25cm x 1.4cm | 約0.9㍑ | 36枚(大箱) 18枚(小箱) |
5050W | 50cm x 50cm x 1.3cm | 約1.6㍑ | 20枚(大箱) 10枚(小箱) |
よくあるご質問
確かに オイルマットについては「型式承認」という制度があります。しかし この「型式承認」というのは、大型の油輸送船、その船を係留する場所ないし貯油施設に対してのみは一定数量のオイルマットを備蓄する義務が「海洋汚染防止法」により課されているところ、その備蓄すべきオイルマットの性能・性状を定めた制度にすぎません。
ですから 上記の種類以外の施設が海洋の油濁を防ぐためにオイルマットを使用する場合は 型式承認に通ったオイルマットでなくてもかまわないのです。
確かに 海洋は波が荒いなどの特色があるので、頑丈さをテストされている型式承認品が役立つことも多いのですが、型式承認品を使っても役立たない場面(「沈みやすい」「油膜が取れない」などの場合)では 型式承認のない別タイプのオイルマットを使うという発想も必要です。
スミレイ フェンスマット
薄油膜まで吸着するオイルフェンス?それともフェンスのように展張できるオイルマット?
特徴
一般の長尺(あるいは万国旗)型マットは 油を吸着すると極端に浮力が落ち、緩やかな流速でも水面下に沈下してしまいますが、スミレイフェンスマット(タコマット)は、親油性多孔質炭化物「スミレイ」の強い浮力と「自動屈曲構造」のダブルパワーで、油吸着後でも秒速40cmを超える急流にさえ浮かび続け、油を吸着し続けます。
強い浮力と滞油力(油の流下拡散をとどめる能力)をもちオイルフェンスのように油を止めつつすばやく油を吸着することができます。
種類
フェンスマット(タコマット)形式 | マット寸法 | 一枚あたりの吸着量 | 1箱の枚数 |
---|---|---|---|
フェンスマット(タコマット)20m | 38cm × 20m × 1.1cm | 約44㍑ | 1枚(大箱) |
フェンスマット(タコマット)10m | 38cm × 10m × 1.1cm | 約23㍑ | 1枚(小箱) |
フェンスマット(タコマット)5m | 38cm × 5m × 1.1cm | 約12㍑ | 2枚(小箱) |
カポックピロー
浮き堰
側溝用対策油防除資材
特徴
天然の撥水性中空繊維である「きわた(カポック)」を網袋に入れた吸着資材です。
幅20cm~50cmの側溝などでオイルフェンスの代わりに油の流下拡散を防止します。
またオイルマットでは間に合わないほどの大量の油を一気に吸着させることもできます。
水位は一定に保ち、溝の壁と壁の間にしっかりと押し込んで水面のポッカリと浮かび上がらないようにします。
種類
寸法 | 1パックの個数 | |
---|---|---|
パコール | 幅25cm x 高さ21cm x 長さ65cm | 4個 |
スミレイ 油濾過吸着袋多くのスミレイで油をガッツリ取るなら
特徴
スミレイを目の粗い網袋に入れた吸着資材です。多量の油を精密に吸着回収できます。
油水分離槽、集水枡、側溝の中に。また排水中の油分の除去にも。袋の大きさや形状についての特注にもお応えしております。
寸法 | 1袋のスミレイ容量 | 1箱の袋数 | 1袋の吸着量 |
---|---|---|---|
45cm x 62cm | 9.4リットル | 9袋 | 約4.5リットル |
よくあるご質問
スミレイは皆様が飲んでいる缶コーヒーの抽出残渣を水蒸気賦活したものですので、全く安全です。
吸着するにおいと、しないにおいがあります。
活性炭をつくる時は、吸着したいものの特性に合わせて 造ります。
例えば気体であれば、窒素だけとか炭酸ガスだけとか吸着する活性炭があります。
スミレイは油だけを吸着するのが目的なので、においには重きをおいていません。ただし、油のにおいは吸着します。
炭(カーボン)は本来燃えにくい物性で、純粋なカーボンのゴルフクラブシャフトを火にかざしても、燃えないことでわかります。
スミレイは火がつきにくく、燃えている油の上にそのままかけて消火剤としても使えます。
植物油は吸着します。
低温固化した動物油は吸着できません。高温の液状動物油は吸着します。台所洗台三角コーナーに入れておくと、排水管に油がつきません。