SDGsを達成し、電気エネルギー不要で日本のミラーを防曇するくもらーずCO2ゼロ
くもらーず は電気を使わない世界で唯一の「蓄熱遠赤外線方式」の屋外用防曇ミラーです。
CO2排出ゼロで「鏡の曇り」を防ぎます。
くもらーず 15型 / 16A型は
先代モデル(13A2 / 14A2型)から防曇性能が大幅アップしました。
- ・厳しい寒さでも曇りません
- ・湿度100%でも曇りません
※14A2 型でも稀に曇りが発生する極めて気象条件の悪い地にて比較
くもらーずの特徴
特徴その①自然のエネルギーを使っている
鏡はなぜ曇るのでしょうか?
ある物質の温度が何らかの理由で周囲の気温よりも低くなると、その際に空気中に含まれる水蒸気が飽和します。
その結果、水蒸気は水の粒として物質表面に析出します。
この「析出した細かな水粒の集まり」が鏡においては「曇り」になるのです。
曇りが生じる臨界温度を「露点温度」と呼び、その値は「気温」と「湿度(しつど)」で決まります。
湿度が低ければ露点温度は気温よりも十分に低く、曇る心配はありません。
しかし湿度が高くなるほど露点温度は気温に近づき、湿度100%で 露点温度=気温 となります。
一般的な鏡は、表面温度が気温よりも低くなることが珍しくありません。
ゆっくりと露点温度に近づく時は曇らずに耐えることもありますが、温度・湿度の急変などの現象が起きると、たちまち鏡は曇ります。
曇る・曇らないの要因は他にも風の強さや設置場所の環境など様々で、一概には言えないものです。
しかし、「鏡面の温度を常に外気温よりも高くキープすること」
これが、鏡の曇りを防止するための最大のポイントとなります。
くもらーず は鏡本体に、大容量の蓄熱材と遠赤外線放射材を内蔵しています。
日中、蓄熱材は日光エネルギーを取り込み熱として蓄えます。曇天であってもエネルギーは十分にあります。夜間に外気温が鏡表面の温度よりも下がると、蓄えたエネルギーは自動的に遠赤外線として放射されます。
図はイメージです。遠赤外線は目に見えません。
このメカニズムにより、曇りが発生しそうな状況下で、鏡面の温度は常に外気温よりも高くなります。
そのため湿度100%であっても、鏡面は曇らないのです。
ヒーター方式などの防曇ミラーもありますが、電源の確保、機器メンテナンス、耐久性などを考慮する必要があります。
一方、くもらーず はメンテナンスフリーで長期に渡り防曇性能を保ち続けます。
特徴その②厳しい冷え込みに強い
下の図は、放射冷却現象で気温が下がり続ける深夜0時から朝7時にかけての、外気温・露点温度と くもらーず の鏡面温度との関係を示しています。
蓄熱材の無い鏡の温度(赤線)は時間とともに露点温度よりも低くなり、曇る様子が見て取れます。
一方、蓄熱材を有する鏡(黄線)は、露点温度よりも高い温度を保ち続け、曇ることはありません。
旧10A型は厳しい寒さの北陸地方で曇らないという実績を残したモデルです。
くもらーず 性能比較の基準モデルとなっています。
特徴その③くもらーずの写像は大きく見やすい
屋外ミラーは、映る範囲を広くするために、曲面でできた鏡面写像部を用います。
(一般的には 曲率 R2200、R3000 など。 R : 湾曲曲率半径)
広い範囲を映しこむには小さな曲率がよいですが、遠くの物体になるほど像が小さくなります。
R 値を大きくすることで、より遠くまで像が大きく映り、見通しがよくなります。
くもらーず では、独自の曲率 R6000 グレードを開発し、ご好評をいただいています。
角型 800×600-R6000(横幅寸法 800mm, 縦寸法 600mm, 鏡面写像部の凸湾曲曲率半径 6,000mm)は3両編成電車ワンマン運転用として開発し市場に導入しましたが、その後4両編成電車にも採用され、その視認性の高さにより 30 年以上の使用実績があります。
新型はさらなる進化へ
改良点その1進化する防曇能力
従来型(13A2 型・14A2 型) に比べ、写像部以外の部位からの遠赤外線放射ロスを抑えることで、エネルギー効率の向上(燃費の改善)に成功しました。
特に明け方近く(5 時~7 時)の放出エネルギー量が従来型に比べ格段に増したことにより「明け方の猛烈な冷え込み×高湿度」による鏡の曇りの発生を解消しました。
曇りの原因が放射冷却の場合、どれだけ気温が低くても、湿度 100%が続いても、まず曇ることはありません。
下のグラフは、非常に高湿度な山間部の濃霧多発地域での一週間の湿度変化です。夜間~朝方あるいは昼にかけて湿度 100%が続く日が多くありますが、くもらーず は全く曇りませんでした。
改良点その2タフな耐候性能
昨今著しく厳しさを増す気候変動に対応すべく各種対策を行い、激しい雨や暴風への耐久性を大幅に強化しました。
- フード外周部の保護ラバーを大型化
- フード内側 遠赤外線放射シートの接着強度向上
- 鏡面ボディのリベット接合数の増加
- 各部位のシーリング強化により防水性を向上
各モデル仕様
モデル名 | 15型・16A型 | 13A2型 | ||
---|---|---|---|---|
ミラーサイズ | 800×600mm | 600×450mm | ||
曲率(R) | R5000 | R6000 | R6000 | |
鏡本体サイズ (横)×(縦)×(奥行) |
850×650×60 | 850×650×60 | 640×500×60 | |
フード込みサイズ (横)×(縦)×(奥行) |
965×650×320 | 965×650×320 | 743×500×270 | |
重量 (フード・取付金具含) |
13A2型 | ー | ー | 16kg |
15型 | 25kg | 25kg | ー | |
16A型 | 31kg | 31kg | ー | |
素材 | 鏡面材質 ステンレス材 裏面材質 亜鉛メッキ鋼板 フード材質 ステンレス材 |
|||
蓄熱材・遠赤外線材 | 本体内臓 大容量K蓄熱材 本体内蔵 K遠赤外線放射材 フード内側 K遠赤外線放射シート フード内側 天井面 K蓄熱材(16A型のみ) |
|||
付属品 | 支柱取付金具 (支柱径 76.3φ用, 89.1φ用のいずれか選択) ※101.6φ金具はオプションで用意 |
モデル名 | 15型・16A型 | ||
---|---|---|---|
ミラーサイズ | 800×600×60 | ||
曲率(R) | R5000 | R6000 | |
鏡本体サイズ (横)×(縦)×(奥行) |
850×650×70 | 850×650×70 | |
フード込みサイズ (横)×(縦)×(奥行) |
965×650×320 | 965×650×320 | |
重量 (フード・取付金具含) |
13A2型 | ー | ー |
15型 | 25kg | 25kg | |
16A型 | 31kg | 31kg | |
素材 | 鏡面材質 ステンレス材 裏面材質 亜鉛メッキ鋼板 フード材質 ステンレス材 |
||
蓄熱材・遠赤外線材 | 本体内臓 大容量K蓄熱材 本体内蔵 S遠赤外線放射材 フード内側 S遠赤外線放射シート フード内側 天井面 K蓄熱材(16A型のみ) |
||
付属品 | 支柱取付金具 (支柱径 76.3φ用, 89.1φ用のいずれか選択) ※101.6φ金具はオプションで用意 |
モデル名 | 13A2型 | |
---|---|---|
ミラーサイズ | 600×450×60 | |
曲率(R) | R6000 | |
鏡本体サイズ (横)×(縦)×(奥行) |
640×500×55 | |
フード込みサイズ (横)×(縦)×(奥行) |
743×500×270 | |
重量 (フード・取付金具含) |
13A2型 | 16kg |
15型 | ー | |
16A型 | ー | |
素材 | 鏡面材質 ステンレス材 裏面材質 亜鉛メッキ鋼板 フード材質 ステンレス材 |
|
蓄熱材・遠赤外線材 | 本体内臓 大容量K蓄熱材 本体内蔵 S遠赤外線放射材 フード内側 S遠赤外線放射シート フード内側 天井面 K蓄熱材(16A型のみ) |
|
付属品 | 支柱取付金具 (支柱径 76.3φ用, 89.1φ用のいずれか選択) ※101.6φ金具はオプションで用意 |
※15型 については、縦800mm×横600mの縦型タイプも製作可能です。
寸法図
支柱への取付方法
くもらーずには支柱取付金具が標準で付属します。
(支柱太さ φ76.3mm、φ89.1mmのどちらかの対応金具をお選びください。またオプションでφ101.6mm金具もご用意できます)
取付金具は支柱側と鏡側の二つ割れで構成され、鏡面の上下方向の角度を調整します。
取付に際し、各部の固定ボルトを所定のトルクで締結してください。
なお、設置後1週間程度経過してから、再度締結トルクの確認を行ってください。
(推奨トルク値)
角度調整部(2本): 48~55N・m(一般地域),55~63N・m(豪雪地域)
鏡と金具との取付部(4本): 42N・m
金具と支柱との取付部(2本): 30~35N・m
注1:片締めにならないよう、ペアのボルトは交互に締めてください。
注2:横張支柱の場合は、支柱への取付部の締結トルクを42N・mとしてください。
アームの仕様
即納標準品として、強化型アームを用意いたしております。
2本継ぎすれば最大760㎜まで横に伸ばせます。
●支柱取り付けアーム:
(76.3φ、89.1φ、101.6φ)支柱側*380㎜長さ*76.3φ鏡側
●延長用アーム:76.3φ支柱側*(380㎜、280㎜)長さ*76.3φ鏡側
注:基礎から鏡下端までの距離が2.3mの場合、89.1φ×3.2tの400㎜曲がり支柱を使えば支柱より1.16m横に出せます。この場合、支柱の強度はOKです。
よくあるご質問
基本的には取り替えられます。ただし、くもらーず は通常の鏡に比べて重量があり、フードも大き
なものです。強風対策として、地盤の強化が必要となる場合がございます。
詳しくはご相談ください。
可能です。天井吊下げ金具の設計・販売も行っていますので、ご相談ください。
延長アーム(オプション)を付けられます。アーム 2 段まで延長可能で、最大長 760mm です。
それ以上の長さにする場合は特注となります。
オプションでフードカットなどのカスタマイズが可能です。(性能は多少低下します)
鏡面板の貸し出しも対応可能です。(800×600 – R6000, 600×450 – R6000)
100%曇らないことを目標にモデルチェンジを繰り返していますが、自然条件は私たちの想像を超えていて、未知の過酷な環境下でどうなるかは、正直わかりません。
現段階で不得手とする状況は、次の条件が「全て」当てはまる場所です。
・切り立った山間の中腹部や盆地(ある程度の標高がある)
・日中の日当たりが良くない
・下に水量の多い水源(河や湖)がある
・設置場所から水源に向けて急斜面で、50m 以上の落差がある
このような環境下では、水源付近が暖かくなると水蒸気をたっぷり含んだ空気が設置場所に向けて急上昇します。一方周囲の山からは冷えた空気が降りてきて、暖気と寒気がぶつかり濃霧が発生します。
ごく限られた場合ですが、15,16A型であっても曇りが発生することがあります。
(完全に曇って見えなくなるほどではなく、列車運行に支障のない程度の曇りです)
このような環境でも曇りを防ぐことができるよう、現在も開発を進めています。ご期待ください。