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状況別対応チャート

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流出した油の量も多く、流れもある(秒速15~20cm以上)場合

このような場合、どのようなオイルフェンスであっても、ただ漫然と張るだけでは、油の流下拡散を止めることは困難です。
エントレインメント現象(下記コラム)」により油玉がオイルフェンスの下を潜り抜けるので、油の流下拡散を遅らせる機能しか果たせないことが多いのです。
そこで油を止めるには、下記のようなテクニックが必要です。

  1. オイルフェンスは斜めに鋭角に張る。(斜展張)
  2. 1段目のオイルフェンスのやや下流側に2段目(あるいは多段に)のオイルフェンスを平行に張る。(多段展張)

    なお、この多段展張のテクニックを使う場合には、喫水の浅い吸着型オイルフェンスを使うと、油玉の再浮上地点が近くなること、軽量で多段に展張しやすいことなどから、より効果的です。
    吸着型オイルフェンスは素材が柔らかいのでフェンスの前の乱流が弱まることや、一本の長さが短めで、小水路にも使えることもメリットです。(連結して大河川に使うこともできます)。
    吸着型オイルフェンスの例としては、スミレイオイルフェンスなどがあります。
    (なお、吸着型オイルフェンスはゆっくりと油を吸いますが、可搬式オイルフェンスはゴム製なので油を吸いません。誤解されている方もあるので、念のために。)
  3. フェンスの上流側で油膜が厚くならないよう、また反射波をできるだけ抑えるよう、常にオイルフェンスの上流側にセッターマットを浮かばせておく。バルクマットは浮力が弱い(特に油を吸着した後)ので、緩やかな流れの場合でも、マット自体が流失して二次災害になる危険があります。

注:オイルマット(油を吸着するマット)のうちで、特に浮力と吸着力が強いものを「セッターマット」と呼び、吸着量の多さに特色をもつ「バルクマット」とは区別します。両者は使用方法が全く異なります。(詳しくは「水面に浮いた油を除去したい場合」ページのコラムへ)

セッターマットの例としては微細孔(マイクロポーラス)系マット(スミレイオイルマットなど)があります。

スミレイオイルフェンスの製品ページはこちら スミレイオイルマットの製品ページはこちら スミレイ製品の資料請求ページはこちら

コラム

【「エントレインメント(entrainment)」現象】

河川などの水面に浮かんだ油の流下がオイルフェンスで止められるているときには 同時に水面近くの水流もせき止められ、オイルフェンスの前後に乱流や小さな渦巻きが発生します。軽油、灯油、A重油、作動油、エンジンオイル、ガソリンなどの粘度の低い油の場合には 油がこの乱流や渦巻きにより水中に引き込まれて、小さな油玉になって漂い、その油玉がオイルフェンスの下を潜り抜けていきます。

この「エントレインメント(entrainment)漏洩」は 流速、フェンスの前に溜まっている油の量、風向や風速に大きな影響を受けますが、フェンスの大小にはそれほど影響を受けず 水中に深く防除布(スカート)を垂らす(=喫水の深い)オイルフェンスを張った場合でも簡単に発生します。

実験では 喫水の深さが 3cmのオイルフェンス、30cmのオイルフェンスのいずれでも 流速秒速18~20cmという低流速で 漏洩が始まること(漏洩における限界流速)が観察されました。

やや風の強い状況では さらに低い流速で漏洩が始まりました。オイルフェンスの喫水が深くても それに応じて反射波も強くなり 乱流も深くなるので 油玉は潜りぬけてしまうのです。

粘度の低い油の漏洩事故においては、流速が遅い、油の量が少ない、風が弱いなどの好条件であれば一本のオイルフェンスで「油を止める」ことも可能ですが、これらの条件に恵まれていない場合には オイルフェンスの働きは「油の流下拡散を遅らせる」ことに尽きるのです。

従って、上記のようなテクニックが必要となるのです。

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